南氷洋のハード島において、H5型の鳥インフルエンザにより数千頭のミナミゾウアザラシの幼獣が死亡した [1, 2]。
この大量死は、鳥インフルエンザが種を越えて感染し、辺境の脆弱な生態系における野生生物に壊滅的な被害をもたらす能力が高まっていることを浮き彫りにしている。この損失の規模は、現地のミナミゾウアザラシ個体群の即時的な安定性を脅かしている。
研究者がこのオーストラリア亜南極領の辺境でウイルスを初めて検出したのは2025年後半だった [1, 5]。ウイルスは密集して生活していた幼獣の間で急速に広がり、壊滅的なアウトブレイクへと発展した [1, 5]。
総死亡数に関する報告は分かれている。約13,000頭の幼獣が死亡したとするデータがある一方で [1]、13,000頭を超えていたとする報告もある [3]。さらに高い推定値では、数万頭の幼獣が死亡したとされる [4]。
幼獣個体群のうち、どの程度の割合が死滅したかについても報告が分かれている。幼獣の4分の3以上、約75%が死亡したとするデータがある一方 [1]、損失はほぼ80%に達したとする報告もある [6]。
ハード島はこの種にとって極めて重要な繁殖地である。コロニーの密度が高かったことが、若いアザラシの間でH5型の急速な伝播を促進した可能性が高い [1, 5]。科学者たちは、残された個体群や地域の他の野生生物へのウイルスの影響を引き続き監視している [5]。
“H5型の鳥インフルエンザにより、ハード島で数千頭のミナミゾウアザラシの幼獣が死亡した。”
ハード島でのアウトブレイクは、H5型鳥インフルエンザがもはや鳥類のみに限定されず、南氷洋の海洋哺乳類の間で活発に循環していることを示している。幼獣における75%から80%という高い死亡率は、若いアザラシがこの株に対して特に脆弱であることを示唆している。かつては天然の避難所であった辺境の地が、伝染性の高い人獣共通感染症の影響を受けやすくなっていることは、世界の生物多様性に対する懸念を増大させている。



