SNCF(フランス国鉄)は、極端な猛暑の期間中にエアコンの故障が発生することを避けるため、2026年5月29日からフランス南部で数十本のIntercités列車をキャンセルした [1, 2]。
今回のキャンセルは、地球温暖化に伴う気温上昇に対し、フランスの老朽化した鉄道インフラがいかに脆弱であるかを浮き彫りにした。最高気温が40 °Cに達する可能性がある猛暑の中、換気設備のない車両に旅客が取り残される事態を防ぐための措置である [3]。
フランスのフィリップ・タバロ運輸大臣は、今回の措置は必要な予防策であるとした一方で、「Ce n’est pas une décision glorieuse(これは光栄な決定ではない)」と述べた [4]。
運行への影響は主に、パリ〜オルレアン〜リモージュ〜トゥルーズ線、パリ〜クレルモン=フェラン線、および南部横断のボルドー〜マルセイユ線で発生している [1, 5]。一部の報道では当初、影響を受けたのは10本のみとされていたが [6]、他の情報源では数十本に及ぶとしている [1, 2]。
SNCF Voyageursは、高い熱ストレス下で機械的故障を起こしやすい旧型の「Corail(コライユ)」車両を対象にキャンセルを集中させた。SNCF Voyageursの広報担当者は、今回の目的は「prévenir les pannes potentielles de climatisation liées aux très hautes températures(極めて高い気温に関連するエアコンの潜在的な故障を防ぐこと)」であると述べた [7]。
サービス削減の期間については、報告によって食い違いがある。一部の報道では、キャンセルは2026年5月29日と30日に限定されていたとしているが [8]、別のデータでは、少なくとも2026年6月22日(月)まで延長される可能性があることを示唆している [2]。
現在のダイヤ変更で最も影響を受けているのは、パリ〜トゥルーズ線およびボルドー〜マルセイユ線の利用者である [5]。鉄道事業者は、今後の夏季に同様の混乱を防ぐための、老朽化したCorail車両の包括的な買い替え計画をまだ発表していない。
“「Ce n’est pas une décision glorieuse(これは光栄な決定ではない)」”
今回のサービスキャンセルは、フランスの輸送レジリエンス(回復力)における重大な欠陥を露呈させた。40 °Cの気温に耐えられないCorail車両に依存していることで、国家鉄道ネットワークは「旅客の安全を危険にさらすか」、あるいは「広範囲なサービス崩壊を受け入れるか」という選択を迫られている。この出来事は、公共インフラの気候変動適応策が、実際の異常気象の増加に後れを取っていることを示唆している。



