ソウル大学の研究チームが、貴金属の使用量を削減しながら水素製造効率を高めるナノスケールの白金触媒を開発した [1, 2]。

この画期的な成果は、水素エネルギーの普及における主要な障壁となっている白金の高コスト問題に対処するものだ。性能を損なうことなく高価な金属の使用量を削減することで、グリーン水素の製造をより経済的に実現可能にする可能性がある。

開発を主導したのは、ソウル大学化学生物工学科のポストドクター研究員であるSong Chan-kyung氏だ [1, 2]。研究チームは、人間の髪の毛の太さの約10万分の1というサイズで白金粒子を生成した [1]。この極限までの小型化により、表面に露出する白金原子の比率が高まり、触媒反応が促進される。

研究によると、この新しい構成では、1つの白金原子が1秒間に約160個の水素分子を生成できるという [1]。この高い活性により、従来の商用触媒よりも白金の使用量を10分の1に抑えながら、より優れた性能を発揮することが可能となった [1]

Song氏は、「微粒子を使用したことで表面に露出する白金原子の比率が増加し、高効率な水素製造と安定した動作が可能になった」と述べている [1]

この開発は韓国で行われ、2024年6月に報告された [1, 2]。本研究の焦点は、水素製造の安定性と効率を同時に向上させるとともに、貴金属触媒に伴う経済的負担を軽減することにあった [1, 2]。

新触媒は、従来の商用触媒に比べて白金の使用量を10分の1に削減している。

水素経済への移行は、化石燃料と比較してクリーンエネルギーを製造する際にかかる追加コスト、いわゆる「グリーン・プレミアム」をいかに削減できるかにかかっている。ナノエンジニアリングによって白金の必要量を90%削減した今回の研究は、重要な材料上のボトルネックを取り除き、産業規模の電解槽における設備投資額を抑制できる可能性がある。