ソウルの裁判所は、隠蔽工作に関与したとされる容疑で起訴されていた徐文勲(ソ・フン)元国家安保室長と金弘熙(キム・ホンヒ)元海警庁長官に対し、無罪を言い渡した [1]。
この判決により、西海で発生した兵士の死亡事件を巡り、政府が意図的に国民を誤導したかどうかの法廷闘争に終止符が打たれた。本件は、国家安全保障上の機密保持と、軍の死傷者の真相を知る国民の権利との間の緊張関係を浮き彫りにしている。
ソウル高裁は、被告らが虚偽情報を流布した罪や名誉毀損罪に問われる根拠はないと判断した [1]。裁判所は特に、被害者の李大俊(イ・デジュン)氏が北朝鮮に脱北した可能性を示唆した海警庁の捜査結果について言及した [1]。
裁判所によれば、捜査結果の発表は確定的な事実の表明ではなく、海警庁としての「見解」と見なされるべきであるとした [1]。裁判官らは、脱北の可能性に関する海警庁の報告は、虚偽情報の流布には当たらないと述べた [1]。
裁判所は、「海警庁が真実に反する虚偽の資料を流布したと評価することは困難である」とした [1]。
脱北の可能性に関する発表が虚偽であると見なされなかったため、裁判所は名誉毀損の主張は成立しないと判示した [1]。さらに、捜査資料は脱北が絶対的な事実であることを証明することを目的としたものではなかったと付け加えた [1]。
「脱北の可能性があったとする海警庁の捜査結果の発表は、虚偽内容の流布に該当せず、したがって名誉毀損にはなり得ない」と裁判所は述べた [1]。
この二審判決により、徐氏と金氏の両名に対する前審の無罪判決が維持された [1]。
“「海警庁が真実に反する虚偽の資料を流布したと評価することは困難である」”
この判決は、韓国法における当局の捜査上の「見解」と事実としての「断定」との法的区別を強化するものだ。脱北の主張を検証済みの事実ではなく「見解」として分類したことで、国家安全保障や諜報に関わるケースにおいて、政府高官を誤情報流布で起訴するためのハードルが高いことが示された。



